フリーランス・デザイナー
小出 真人
マロニエの魅力は?
デザインやビジネス系など各専門の先生と学生が、リアルにいる環境です。先生と話せば勉強になりますし、学生と話せば刺激になる。学びたい人にとっては、すごく良い環境です。
フリーランスのデザイナーとして、
自分の描くイメージを形にする。
現在は、フリーランスとして8年以上働いてきた「ラム」のほか、さまざまなブランドの服、ニット製品、帽子などのデザイナーをしています。デザインは、自分のアイデアやイメージを実際の形にできるところがおもしろい。そんなものづくりの楽しさが、この仕事にはあります。そのかたわらクリエイター仲間と「Made in Me Project」というプロジェクトを立ち上げて、自分たちの理想とするオリジナルのバッグや家具などを製造・販売しています。 プロジェクトのきっかけは、世の中には無駄が多いと感じ始めたことです。物が多過ぎますし、デザインもそう。私は、飾りポケットも嫌いです(笑)。そこで、このプロジェクトでは、素材にこだわる一方で、デザインの無駄を削ぎ落とし、使う人それぞれが自由に楽しめる物、その人が使うからこそ価値があるものを提供しています。今の目標は、この理念を広げて、継続していくこと。最終的には、オーダーメイド製品を提供したいですね。
好きなものづくりを突きつめるうちに、
イタリアでデザイナーになっていた。
元々、私はファッション業界の華やかそうなイメージが嫌いでした。でも、ものづくりは好きで、学生時代から本場で学びたい気持ちがありました。イタリアへ渡ったのは、学生時代に「神戸ファッションコンテスト」の最優秀賞受賞でイタリアの服飾学校へ留学する資格をいただいことがきっかけです。留学中には、参加したファッションコンテストで最優秀賞を獲得した縁で、「ロベルト・カヴァンニ」へ就職しました。その後、「ラム」へ転職して、メンズの服やニット、帽子などのデザインを手がけてきました。 仕事では、写真撮影でもグラフィックでも、必要なら何でも積極的に取り組んできました。大切なのは、目の前のことをより良くしようと考え、実践すること。それが、成長につながると思います。またイタリアは、街にも文化にも西洋の本物の歴史が息づいています。日本にいると、西洋のことを言っても、どこか「○○風」です。できれば、学生のみなさんも海外へ出て、本物に触れて欲しいですね。きっと、大きな刺激や糧になりますよ。
学生時代から日々、服のことを考え、
黙々と作品をつくり続けていた。
ものづくりがしたかったので、学生時代は毎日、服のことを考えていました。そんな私にとって、マロニエは、すごくモチベーションの上がる環境でした。先生の話もそうですし、授業の課題や学内外のファッションショーやコンテストのために、日々、黙々とモノづくりに取り組んでいましたね。また、マロニエではパターンにデザインと幅広い知識を学ぶことができます。私は、高校時代には洋裁もできなかったので、服づくりの基礎をしっかりと学べたことは本当に良かったと思います。イタリアへ来て感じたのですが、こちらではパタンナーはパターンだけ、デザイナーはデザインだけと分業制が確立しているので、服づくりの全体的な知識を知っておくと他の職種の方への指示もしやすいんです。 学生時代には、積極的に取り組む姿勢が大切です。私自身、授業や先生との会話一つとっても、”教えてもらう”というよりは”学び取る”という感覚で学んでいましたし、常に自分なりに考えて、工夫することが力をつけるコツだと思います。