ディレクター
株式会社ネクスト・ダッシュ
戸田 哲也
マロニエの魅力は?
刺激的で感動できる場が、豊富なところです。マロニエは、個性あふれる先生が多く、授業や学内外のイベントも多彩なので、学生時代にいろいろな経験をして欲しいと思います。
舞台上に自分が思い描く
「カッコイイ」「かわいい」を表現する
肩書きはディレクターですが、仕事は主にファッションショーを中心とした舞台演出に、プロデュースも行っています。具体的には、ショーの企画からモデルの選定、照明やBGMの選定・演出、舞台スタッフの統括など非常に幅広く、ショー全般を取りまとめる立場です。現場ではマルチに働くため大変ですが、私はこうした舞台のライブ感が好きなんです。特にショーの本番で、観衆に「カッケェーなあ!!」「かわいい~」と感じてもらえた瞬間はたまらないですね。この感激を一度味わうと、クセになります。演出面で大切にしているのは、来ていただいたお客さんに自分が表現したいことが伝わるか。それに共感してもらえるかということです。時には少人数の方にしか支持されなくても、妥協のない演出を心がけたいものです。仕事は、多くの人々の協力があって成り立っていますが、その中に自分のこだわりや工夫を取り入れる。そこに、面白さを感じています。
初めてショーを成功させたとき、
身体が震えるほどの感動を覚えた。
舞台演出の仕事を目指したのも、マロニエ時代にこの感動を味わったからです。きっかけは、マロニエと大阪の豊中市と共同で開催したファッションショー。私は、先生からリーダーに抜擢されました。ただ、20数名のモデルの選定、スタッフの仕事の割り振り、演出と初めての経験ばかり。プレッシャーも大きくて、ガムシャラに取り組みました。そうして当日、舞台を目にした時に、「ビビッ」と電気のような震えが体中を走ったんです。衝撃的な感激を実感したその瞬間に、「この仕事をしたい」と思いました。その後、就職したイベント会社では、3~4年間は下積みを経験しました。現場の先輩を見て仕事を学び、自分でMacを購入してデジタルでの映像・音楽の演出のスキルを磨いてきました。辞めようと思ったことはありません。とにかく「いつか自分の思い描く舞台を実現する」という意志と、何でも積極的に取り組む姿勢を貫いて、少しずつステップアップをしてきました。
マロニエの先生は学生に優しく、
熱意をもってサポートしてくれる。
マロニエでは、最初は当時のファッションアドバイザー専攻で2年間学んだのですが、目標もなく遊んでばかり(苦笑)。このままではダメだと思い、目標を真剣に探そうとコーディネーター専攻(現:マーチャンダイザー専攻)の3年に編入しました。そして、前述のショーを経験したんです。先生は、私に刺激が必要だと考えてリーダーに選んだそうですが、その決断にはすごく感謝しています。マロニエの先生は、普段から学生と近く、常に学生の将来を考えてくれます。私も、人との接し方や人間形成の面でも多くを学ぶことができました。今の学生は、みんな真面目ですね。神戸コレクションでもスタッフとして手伝ってもらっていますが、マロニエの学生は仕事が的確で責任感も高いと感じています。そこに、「自分はこれがしたい」という意欲や積極性が加わると、さらにうれしいですね。人に指示されたこと以上のことを返す努力が、人とは違う実力を培うことになりますし、必ず将来に活きると思います。